2021年 2月定例会と2021年度県当初予算などについての見解

2021年3月26日

日本共産党山形県議団
団長渡辺ゆり子
関徹

 2020年度2月補正予算、2021年度山形県当初予算案等が全会一致で可決・成立しました。日本共産党県議団は、すべての議案に賛成しました。会派として県民に対する説明責任を果たすために見解を表明します。

(1)2020年度2月補正予算について

 2020年度2月補正予算の歳入では、県税・地方消費税・地方譲与税で約63億円減額となりました。要因はコロナの影響です。一方、地方交付税交付金で約31億、減収補てん債(※1)72億円、繰越金約25億円などの増額により、財政調整基金など3基金から一般会計への繰入金を約151億円減らし、基金積立を確保しました。昨年9月に渡辺県議は地方消費税が減収補てん債の対象になっていないことを指摘していました。
 歳出では、国の新型コロナウィルス感染症対策創生臨時交付金を繰り出して約59億円を特定基金として積み立てます。
 県は既に商工業振振興資金で「全国でも例を見ない」(産業部)「無利子・保証料ゼロ」を行っていますが、後年度発生する県負担が73億円と見込まれるため、その費用に充てる予定です。また、政府の3次補正で、コロナ創生交付金が県に69億円配分されることを見込んでいます。
 子育て支援医療給付事業・国保特別会計保険給付費の減額補正などが計上されました。コロナの影響による受診控えが補正予算からも明らかになった形です。厚生環境常任委員会で渡辺県議は、国はコロナによる病院の減収補てんを行うべきと主張しました。
 国のコロナ対応により生活福祉資金や介護福祉士修学資金、保育士修学貸付金の原資、が追加されます。
 東京オリ・パラコロナウイルス感染症対策基金条例が制定されました。国の要請に基づくもので、基金を約3.2億円積み立てて、まん延防止事業や、市町村が実施する事業に充てるものですが、県のワクチン接種事業や感染対策の厳しい現状の中では、事業で謳われている「オリンピックのための、医療従事者の確保や入院病床の確保」などは本県でも困難であることを、商工労働観光常任委員会で関県議が指摘しました。
2 020年7月豪雨等を踏まえた最上川等の治水対策(令和2~11年度)経費が計上されました。国交省が公表した「緊急治水対策プロジェクト」沿うもので、全体費用約656億円、県支川等約500億円のうち初年度県負担分が計上されました。
 県議団は、昨年8月20日に県に要望書を提出し、最上川水系を中心に県の水害対策を提言しましたが、予算には、被害が大きかった河北町・大石田町の堤防整備などが盛り込まれました。昨年9月の渡辺県議の質問では、国交省の最上川本川の河道掘削の進ちょく率は、30年計画期間のうち17年が経過した時点で、堤防整備が約71%に対し、約6%とほとんど進んでいないことが明らかになりました。今回のプロジェクトでは、河道掘削が位置づけられています。速やかな推進を求めるものです。一方、内水被害が発生した中山町や山形市では、まだ具体化されていません。堤防整備とともに内水対策が必要になることや、河道掘削した90万m³の土砂の処理が今後の課題です。

(2)2021年度山形県一般会計当初予算について

 2021年度当初予算は、1月知事選挙で当選をした吉村美栄子知事の4期目のスタートの予算となります。
 知事は議会に対する説明で「県民の命と生活を守るため、ワクチンの円滑な接種に向けた体制を早急に確立、地域経済の再生にも取り組む」「新型コロナ対策とあわせ、ポストコロナの社会を見据え、デジタル技術の活用といった新しい発想や手法を積極的に取り入れ、誰一人取り残されることのない持続可能な県づくりを進めていく」と決意を述べるとともに、知事選でも掲げた「新型コロナへの対応」と5つのテーマ「子育てするなら山形県」「健康長寿日本一」「県民幸せデジタル化」「1人当たり県民所得」「やまがた強靭化」にチャレンジすると述べました。
 県議団は「県民のいのちと暮らしを守る」「誰一人取り残されることのない」県政を掲げる吉村知事の姿勢と、2021年度事業の下記の点を評価し、今後の更なる施策の前進に期待するものです。
 コロナ対策として「新型コロナワクチン接種コールセンターの設置」「回復後受入医療機関への空床補償」「社会福祉施設の簡易陰圧装置設置支援」「PCR自主検査センター(県立河北病院)」など、関連した事業として「女性非正規雇用労働者の賃上げ、正社員化による賃金向上」「新生活様式対応の住宅リフォーム支援」「高校のエアコンの前倒し整備」などが実施されます。
 また、県議団が繰り返し求めて来た保健所の機能強化、保健師の7名の増員が実施されます。
 新規に保育料段階的無償化事業費として、9億2706万円が計上されました。0から2歳児の無償化されていない(推定年収470万円未満)世帯の月額19,500円~30,000円の保育料の半額を市町村に補助します。県がめざす無償化には市町村の協力が必要ですが、県単独の保育料軽減としては全国でも先進的事業です。
 子育て世帯の「子育てにお金がかりすぎる」という声に応え、子育て世代の負担軽減に引き続き力を尽くします。
 新規事業として「出産費用負担軽減事業費」1億751万円が計上されました。出産育児一時金40万4000円と県平均出産費用の推計額52万円の差額11万6000円の1/2程度、5万8千円を支援します。2021年度は2022年1月から実施の見込みです。
 私立高等学校等授業料軽減補助費が拡充されました。世帯収入約590万円以上~910万円未満の世帯への支援月額、現行17,000円を3000円拡充します。
 「ひとり親家庭に対する住居費の支援」60万円を新規計上しました。公営住宅に入居できなかったひとり親家庭に、民間家賃との差額(県1/2市町村1/2)を助成します。
 コロナ禍でひとり親が苦境に立たされる中、県は「2021年度政府施策等に対する提案」で、国にひとり親の住居支援を国に要望。厚労省は昨年9月、2021年度概算要求で住居費「給付事業」を計上しました。しかし、2021年度政府予算案では「貸付事業」にとどめられました。県は「経済基盤が弱い時に貸付というのでは」(3月11日厚生環境常任員会答弁)と内部で議論し、「給付」支援を県独自でおこなうことになりました。渡辺県議は同常任委員会で県の姿勢を評価しました。
 ひきこもり支援では、地域若者安心生活構築推進事業として「相談支援拠点の拡充」、生活困窮者自立支援事業として「地域全体で引きこもり者を支援する体制の構築に向けたモデル事業」、ひきこもり相談支援事業として「サポーター養成研修」等が取り組まれます。訪問を始めとする支援体制の強化、県自立支援センター「すだち」と各保健所の機能強化が引き続き求められています。
 他に、「県内4地域への公認心理師の配置による発達検査の実施体制の構築」などの「発達障がい者支援体制」の拡充、「看護師付添等による通院支援の拡充」などの「医療的ケア児支援体制整備」など、関県議が繰返し取り上げてきた施策の前進が図られます。低所得世帯への冬季灯油購入費助成、学童保育利用料軽減支援などが継続されたことも重要です。
 教育分野では、「少人数学級編成等推進事業費」は昨年度当初比較で1億円程度増額されます。コロナ対策として昨年6月補正で実施した「学習指導員を多人数単学級がある学校、小中48校に配置する」事業を通年でおこなうためです。
 また、教育山形「さんさん」プランの効果検証がおこなわれます。国の35人学級の方針に対して、他県では少人数学級の前倒し実施も始まっており、本県も少人数学級を前進させていくことが求められます。それは、教職員の働き方改革の上でも最重要課題となります。何よりも国が、中学校での実施、先進国では当たり前の20人学級に向けた更なる改善に踏み出すことが強く求められます。
 不登校児童生徒の支援ハンドブック作成がおこなわれます。支援の改善を図るものですが、関県議がH30年9月予算特別委員会で提起し、繰返し取り上げてきた市町村の教育支援センター(適応指導教室)の機能強化にもつながる事業です。
 スクールカウンセラーが8名増員されることも重要です。「女性の賃金向上推進事業費」1億2000万円が新規計上されました。これまで県は国のキャリアアップ助成金に上乗せした、非正規雇用労働者正社員化・所得向上促進事業を行い、正社員比率の向上を進めてきましたが、所得向上(賃金引き上げ)の方は、国が「生産性向上」を条件にしていることから伸び悩んでいました。
 そこで、これまでの同事業を中小企業・小規模事業所の女性の賃金向上に焦点を当てた制度に再編し、県独自の支援を行います。商工労働観光常任委員会で関県議も求めてきた事業ですが、全国で最下位(青森県と同位:賃金構造基本統計調査)となっている県の女性賃金引き上げの一助となることが期待されます。
 賃金アップコースでは、賃金を30円以上引上げた40歳未満の女性非正規雇用労働者一人当たり3万円を事業者に支援します(上限有)。正社員化コースでは、同様に一人10万円を支給します(上限有)。
 30円という引き上げ額の設定は、Dランクである県の最低賃金と1つ上のCランクとの差によるものです。製造、卸売、小売、宿泊、飲食サービスを重点としていますが、業種を問わず大いに活用することが望まれます。県は全国に先駆けて、中小企業支援と合わせて全国一律最低賃金制度を創設すること
を政府に提案していますが、政府がこの提案に応えることが強く求められます。「就職促進奨学金返還支援事業」が拡充されました。Uターン希望者(35歳以下)枠が設けられ、60万円を限度に返還支援されます。希望者を後押しすることが期待される事業ですが、県内で40人と狭い枠になっています。中小企業支援では「中小企業パワーアップ補助事業」が新設されました。これまで「中小企業スーパートータルサポート補助金」として、国の補助事業に申請して採択から漏れた事業をブラッシュアップして県が補助する事業をおこなってきましたが、県内企業の国の補助事業採択が東北トップになるなど力がついてきたとして事業を改編し、国の補助事業への申請の有無に関わりなく支援する制度とします。
 1新製品や新技術の開発、2中小企業・小規模事業者を対象に、デジタル化やポストコロナを見据えた設備投資等支援(設備投資の1/2、上限100万円)、3地域商社の販路開拓支援、の3つの支援制度ですが、単価が手厚くされた一方、予算枠は縮小(スーパートータルサポート2億2000万円から、パワーアップ1億4500万円へ)したため、恩恵を受ける事業者が少なくなることが懸念されます。
 農業では、新規事業として元気な地域農業担い手育成支援事業が開始されます。
 小規模家族経営体も含む「多様な担い手」の支援を図るもので、規模拡大などの要件を無くした使い易い支援をめざすとされ、事業費の3分の1を県が補助しますが、市町村の6分の1補助を条件としています。
 県農民連など多くの関係者が求め、関県議も2017年6月から繰返し提起してきた小規模家族経営支援であり、親元就農も利用できる制度として重要です。予算は5527万円であり、事業規模の拡大が望まれます。
 県水産振興条例と、県水産振興計画が策定されました。2021年度は、オーダーメイド型の支援が創設されると共に、新たに、1就業希望者の研修支援、2年間150万円の給付金支援など就業準備支援、3年間150万円の所得保障など新規独立漁業者支援、などがおこなわれます。
 関県議が産業振興対策特別委員会等で指摘してきた新規就業支援など、小規模・家族経営が大半を占める本県の漁業者を支援する制度として、今後更なる拡充が期待されます。
 農林水産業では何よりも、「市場まかせ」で「競争力ある経営」のみの育成ではなく、小規模家族経営を始めとするすべての事業者を中心にして、農林漁業・農山漁村の再生を進める政策への国政の転換が求められています。
 大雨対策では、県管理河川において河道掘削、堤防や輪中堤等の整備を行います。2020年7月豪雨等で被災した古佐川等の河川整備計画も策定します。昨年の大雨では最上川から県管理河川へのバックウォーターが発生しました。県管理河川は最上川本川と同じ高さでの堤防整備が必要となりますが、同時に内水対策も合わせた対策が必要です。

(3)懸念される事業

 学力向上支援チームの設置が継続計上されました。アドバイザーが学校を訪問し、授業改善等の指導・助言を実施するというものですが、教師が専門性を発揮して行われるべき授業の充実が、上からの統制で損なわれることを懸念します。また、その成果はテストの点数で測られるものであってはならないと考えます。
 庄内中高一貫校(仮称)基本実施設計業務委託の債務負担行為がおこなわれました。進学校の中高一貫校化は、事実上県内で初めての中学受験競争、家庭の経済力による格差、市町立中学校との格差などの問題を発生させるものです。問題の重大性を改めて捉え直し、弊害を最大限抑制する方策を検討すべきです。
 「住宅リフォーム総合支援事業費」が再編統合され、「やまがた家需要創出事業費」の1つとして実施されます。対象工事に新生活様式対応が盛り込まれたものの、これまでの支援制度では可能だった県から市町村への単独補助から市町村との協調補助となり、市町村負担が生じます。県によると、2021年度は35市町村が引き続き実施の見込みとのことですが、市町村の制度が変更になる可能性があります。
 既に市町村から、制度変更と予算削減に対して意見が出ています。市町村・利用者にどのように影響がでるか調査し対応していきます。
 県エネルギー戦略後期エネルギー政策推進プログラムが策定され、洋上風力の実現・拡大を重視する発電推進事業費が拡充されました。これまで、地元関係者等による、県地域協調型洋上風力発電研究・検討会議と遊佐沿岸域検討部会などで期待が出されている一方、景観・健康被害等から反対する声も出ており、十分な情報提供と対話で合意形成を図る事が不可欠です。
 再生可能エネルギー開発は、言うまでも無く持続可能な社会実現に不可欠の課題ですが、一つひとつの事業が地域再生・地域経済振興に資するものとなるよう、住民合意が形成されるように取り組んでいきます。
 引き続き、フル規格新幹線整備推進事業が主要事業の一つに挙げられました。「機運情勢」の前に、並行在来線の存廃、建設費用、地元負担、既存交通の影響などの情報を県民に示し、議論していくことが求められています。
 「県民幸せデジタル化」、「行政デジタル化」として、教育、福祉、産業、建設など各分野でデジタル化が取り組まれます。菅首相の言う「デジタル社会の実現」は、個人情報を集積して国民の管理・監視を進めつつ、企業に提供すると共に、公務公共サービスの切り捨てや職員削減なども目指すもので、基本的人権の侵害と格差の拡大をもたらすものです。
 行政サービスの向上で重視すべきは、まずもって対面サービスの向上です。県では、国のデジタル化支援施策で県民の利益になるものは弊害に留意しながら利用し、住民福祉の増進、職員の労働負担軽減に活用することが求められます。
 導入に際しては、県民の実情や要望に沿って、導入の是非、導入する場合の範囲や条件、システムなどについて、国の基準にとらわれず自主的に決めるように、県議団として注視していきます。
 新規事業や、再編した事業に市町村負担が見受けられることは懸念されますが、吉村県政のこれまでの前向きの事業の継続を評価、総合的に判断して2021年度山形県一般会計予算に賛成しました。

(4)副知事の人事案件について

 若松副知事の人事案件が、2月18日に提案、一旦取り下げられた後、3月9日に再提案されて自民公明の不同意で県政史上初の否決、任期満了翌日の11日から同氏をコロナ克服・経済再生特命補佐に任用するという異例の経過となっています。
 県議団は、知事選挙で県民の大きな支持を受けた、吉村県政の3期目を支えた副知事として、継続は妥当であると考えて同意しました。
 採決では共産党県議団(2人)、県政クラブ(12人)、無所属(2人)の16人が同意、自民公明の26人が不同意となりました。自民党会派は不同意の理由について、報道では「市町村とのコミュニケーション不足」などと語っていますが説得力を欠いています。
 昨今、全国の地方議会で稀に起こる人事案件の否決(不同意多数)では、議案の性質から相当な理由が求められることが有識者から指摘され、多くの場合に議会多数会派が「政争の具」にしているという批判があります。
 自民公明会派の不同意は、直前の知事選挙で大きく期待された県政の継続に必要な人事を妨げ、コロナ対策を始めとする喫緊の課題遂行の障害となり、県民に大きな不利益をもたらしかねない事を指摘しておきます。

(5)常任委員会での質問

  •  渡辺県議は厚生環境常任委員会で以下の項目を取り上げました。
  • アスベスト対策強化について、規制強化されたことに伴い購入予定の計測機器の活用で、飛散防止工事の強化を求めた。
  • ひとり親家庭の家賃補助について(前述)
  • 生活保護の扶養照会について、金銭的援助可能割合は低いことを明らかにし、本人の同意なし照会は行わないことを求めた。扶養照会は義務でない、生活保護受給は権利であることを確認した。
  • 県救護施設条例廃止に関して、現在指定管理者となっている県社会福祉事業団への経営を移譲するが、その後の県の関わり、入所者の影響を質し、運営内容が悪化しないよう求めた。
  • 地域医療構想に関し、国の支援金が病床削減につながるものであることを指摘し、コロナ対策を踏まえ、構想はいったん中止し、見直すよう求めた。
  • 国保に関し、コロナ対応の減免の徹底、国保運営方針の見直しで剰余金の扱いを納付金減額のために努力をするよう主張した。

 関県議は商工労働観光常任委員会及び産業振興・人材活用対策特別委員会で以下の項目を取り上げました。

  • R3年度の企業立地補助金について、新型感染症の時代にグローバル経済の断続が見通される中で、雇用拡大効果を始めとして地域内の経済循環に資するものとすることが重要と指摘し、誘致を見込んでいる企業の業種や雇用数の見込み等を問いました。
  • 文化財保や存活用大綱策定のための文化財保護条例一部改正について、大綱策定で求められる課題を明らかにする立場から、大綱の趣旨とスケジュール、県立博物館への学芸員配置等専門家の確保の見通し等を確認するとともに、保存・修復等の費用負担の軽減のために、県の補助水準を斎藤県政以前に戻すべきと指摘した。また、文化財保護法改正で文化財を利益を産むために活用することが打ち出される中で、「我が国の歴史、文化等の理解のために欠かせない」財産であるから保護と維持、保全するのだという意義を強調した。

 他に、出羽やまがた百観音の事業の目的、「やまがた旅の見聞録」廃止の理由等を質しました。

(6)生活保護の扶養照会について

 「2016年7月に生活保護を開始した世帯に対する扶養の全国調査」結果の山形県分の内容が県への調査で明らかになりました。申請の障害になっているとされる「扶養照会」(自治体が家族や親戚に「援助できるか」と確認する)について調査したものです。
 調査結果によると、生活保護を開始した世帯数は全国で17,000(山形県84)世帯に対して親族への照会実施件数が38,000(同142)件となっています。
 保護した1世帯当たりの扶養照会の件数を計算すると、全国2.23件、山形県は1.69件となり、全国より少なくなっています。山形県はつながりの少ない人が受給決定される傾向が見えます。県内では生活保護申請希望者が、申請前に家族に相談し「申請したら縁を切る」と言われ、申請を躊躇する、事例も見られ、扶養照会制度が申請抑制につながっている実態があると考えます。
 日本共産党の小池晃書記局長の1月28日の参議院予算委員会での質問に対して田村憲久厚生労働大臣が「扶養照会は義務ではない」と答弁しています。扶養照会制度はなくすべきと考えますが、少なくとも本人が希望しない人には送るべきではありません。

(7)委員会所属と質問の機会について

 2月定例会で委員会所属が以下の通り決まりました。【厚生環境常任委員会・関徹】【商工労働観光常任委員会・渡辺ゆり子】【健康医療・女性若者活躍対策特別委員会・渡辺ゆり子】【経済活性化・雇用対策特別委員会・関徹】【広報広聴委員会・関徹】【山形県交通安全対策協議会委員・渡辺ゆり子】県議団の質問は、6月定例会で予算特別委員会、9月に一般質問が割り当てられました。

以上

(※1)

減収補てん債は、基準財政収入額の算定と課税実績の乖離がある場合に、特別な地方債(減収補てん債)が発行され、元利償還金の75%を後年度基準財政需要額に算入されます。対象税目が法人税などに限定され、「安定財源」として導入された地方消費税は対象とされてきませんでしたが、昨年12月、総務省は地方からの声に押され、地方消費税など7税目を減収補てん債の対象税目として追加、コロナ禍においても地方税収は一定確保される見込みとなりました。
 消費税10%が本格導入された2020年の全国地方税収は「増収入」になることを前提に組まれていましたが、コロナ禍などによる減収で税の穴埋めが必要になっていました。
 県の減収補てん債は72億ですが、うち11億円が地方消費税です。消費税は、2018年11月から景気が後退局面に入っている最中に、2019年10月に10%に引き上げられました。県内では大沼デパートの倒産の引き金を引くなど、県民生活にも、地方財政にも重大な打撃を与えました。一方で、日本の大富豪三十数人の資産合計はコロナ下の10ヶ月で12兆円から22兆円に急増しています。所得のほとんどが株式譲渡所得であり、大企業・富裕層を優遇する不公平税制を正す事が急務です。