県政運営に関する提案・要望を知事に申し入れ懇談

1月30日午前、2024年度県予算への要望を知事に提出しました。61項目に渡る要望の内、当日は4項目について知事から考えを聞きました。

①賃金引き上げと中小企業支援

【県賃金向上推進事業の拡充、中小業者支援対策を充実すること。「最低賃金の引き上げ」と全国一律最賃制度の創設、中小企業支援策の充実(社会保険料の支援など)とともに国に求めること。】(1)

知事 県賃金向上推進事業支援金で企業の賃金引き上げに取り組んだ事業者に支援給している。特に女性賃金が47位。どういうふうにすれば、賃金向上になるか、業界にも話を聞きながら、踏み込んでいきたい。全国一律最低賃金制度創設に向け、ランク制度廃止が重要。政府に、中小事業者への支援とあわせて今後もしっかり提案していきたい。

②国保税引き下げ、子どもの均等割り撤廃

【高すぎる国民健康保険税を協会けんぽ並みに引き下げることを目指し、基金の最大限の活用を図ること。子どもの均等割りを撤廃すること。国に公費投入を求めること。】(16)

知事 国保は、国民皆保険を支える大変重要な制度。現役世代が加入している協会けんぽと比べると、年金生活者、パート、アルバイトなど、低所得の加入者が多いという構造的な問題を抱えている。市町村と協議をし、加入者の負担を軽減するため国保財政安定化基金を活用していく。また、政府に、国保事業への財政支援措置をいっそう拡充することと、子育て世帯の負担軽減の観点から、子どもの均等割保険料免除を提案している。

③小中学校給食費無償

【小中学校給食費の保護者負担を無償にするため、県として市町村への財政支援をはじめ必要な措置を講じること。財政措置を国に求めること。】(2)

知事 学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に大変大事なもの。学校給食法で「食材費などは児童生徒の保護者が負担する」となっている。生活が困窮する家庭に対しては、生活保護法による教育扶助として学校給食費の全額が援助され実質無料。準要保護世帯には県内市町村で2/3が全額を援助している。県内すべての市町村で、地方創生臨時交付金を活用し、学校給食の原材料費の高騰などに伴う保護者負担が軽減されている。学校給食法制定後半世紀以上が経過。少子化の進行など社会情勢変化する中で、学校給食が栄養のバランスなど一定の質を確保しながら、安定的に実施されるように、負担の在り方を整理し、法改正などと共に、経費については、全額国庫負担とするよう政府に要望していく。それは今の流れだなと思っている。政府も流れていくだろうと思うので、しっかり押していきたい。

④土砂崩れ、地震の経験を踏まえた防災・減災対策強化

【能登半島地震も含めた近年の県内外の災害に学び、孤立集落対策、避難計画確立、避難所の資機材整備等の地域防災計画の点検・見直しと充実を図ると共に、土砂災害対策を始め、防災・減災対策の強化を図ること】(31)

知事 防災減災。本県地域防災計画は、東日本大震災での課題などを元に、平成23年度に全面改定。その後も県内外の大規模災害などの教訓を踏まえ、必要な手直しを行ってきている。近年は、平成30年7月西日本豪雨、静岡県熱海市土石流災害を始めとした令和3年7月1日からの大雨災害などを教訓として、「自らのいのちは、自らで守る」という意識の徹底。医療的ケアを必要とする方への配慮など新たに明記した。今般の能登半島地震でも、今後政府等における振り返りなどで様々な課題が明らかになると思う。本県としても教訓として、本県での対策など検証し、その結果を県地域防災計画などに反映させて、生かしていきたい。

出席した関徹県議は「61項目の多くは、これまで県議団が議会でも取り上げてきたものですが、今日の知事の回答はほぼ議会での答弁を踏襲したものでした。各項目について、政府に提言する姿勢は引き続き重要です。特に学校給食では、これまで『食材費は保護者負担とする』という学校給食法の規定に拘泥してきたところ、『無償に進むのは社会の流れ』とし、『必要な法改正』を政府に求めるというスタンスへの転換は意義があります。女性の賃金向上についても、『踏み込んでいきたい』と意気込みを感じさせるものでした。切実な要望に応える取り組みを更に進める事を引き続き求めていきます。」と記しています。(関徹のブログ「とおるの鶴岡・山形県政通信」1/30より)